thesuperchicken’s blog

メキシコで体外受精+着床前スクリーニング

はじめに

ことの始まりは、二人目の子供を妊娠して安定期に入ってから初めての超音波検診に行った時、19週目あたりだったので性別がわかるかもしれないという期待に、夫も私も胸を膨らませて病院を訪れた時のこと。

それまでにも夫は、一人目が女の子だったので、二人目は男の子がいいよね、バランスが取れていいね、なんて言っており、私もまあ確かに男の子でもいいな、でも女の子でももちろん健康ならどっちでも!(たいていの母になる女性はそう思うと思いますが)と思っていた。

母の勘としては、つわりが長女のときと似ているし、何より子供を作ろうと頑張っていた時に、特に産み分けを意識せずに、まずは妊娠することを目指していた私たちは、数うちゃ当たる戦法で、排卵日の前後になるべく多く子作りに励もうという戦法をとっていたけど、さすがにお互い歳だからそんな毎日頑張れるわけでもないし。しかも二人目を妊娠したと思われる排卵日のときは、ちょうど排卵日前に子作り頑張ったあと二回も三回も挑戦する前にノロウィルスに家族全員でやられて、順番にみんなベッドで高熱出して寝込んだ時だった。(そして思えばたぶんこの高熱のおかげで、排卵日以降高温期を保てない私が妊娠できたのではないか)

だからまず間違いなく、二人目も女の子だろうな、そう思っていたけど、男の子を期待している夫には言えずにいた。

そして19週目の超音波検診。

超音波技師に「どっちですか?」と訊ねる夫。

技師は超音波のプローブを動かしながら、「たぶん女の子。見せてくれないからはっきりわからないけど、この感じは女の子。」

「はっきりわからない?じゃあ男の子という可能性もある?」と食い下がる夫。

「うん、もちろん超音波の性質上100%とは言えない。でもおそらく女の子ですよ。」

超音波技師の人って、もう一日に何十人も妊婦さんを見てきてるわけですから、その人が「たぶん女」って言ったら、もうほとんど100%に近い確率で女の子でしょう。だけど夫は信じたくなかったようで、この検診の後の夫の落ち込みっぷりは可哀そう通り越してイラっとするほどどっぷり落ち込んでいて、この時初めて、本当に初めて私は夫が男の子の子供を望んでいたことに気づいた。私のように、どうせなら男の子という程度ではなく、どうしても男の子が欲しかったのだ。

それだけ真剣に欲しかったのなら、どうして子作りに挑戦していた時にもっと言ってくれなかったのかと聞いたことも何度もあるが、夫は自分は言っていた、私が本気だと思っていなかっただけだと言う。過去のことを言っても仕方がない。

この夫の落ち込みようも、次女が無事に産まれてくればよくなるかと思っていたが、むしろひどくなる一方だった。

自分に男の子の子供がいないことで気が狂いそうになると訴える夫。自然と男の子がいるご家庭と家族ぐるみで遊びにいくことはなくなり、カフェで朝ごはんを下の子と3人で食べに行っても、隣のテーブルに男の子連れのお母さんがいようものなら、とたんに影を暗くして恨み言を言い始めたりする。

夫を正気に戻す方法はただ一つ、男の子を授かることしかない。

だが夫は絶対に男の子でなければ、3人目は欲しくないときっぱり断言。

世の中にはどんな産み分けの方法があるのかさんざん調べて、たどり着いた結果は体外受精+着床前スクリーニングという方法だった。

ただし私たちが住むカナダでは、この方法は先天的に遺伝性の疾患を持つ人以外、受精卵の着床前スクリーニングは許可されていない。またその遺伝的な疾患が、性別によって避けられる場合にのみ、受精卵の性別を選ぶことができる。

だがアメリカをはじめ、イタリア、メキシコ、タイなどの国では許可されている。

それらの国の着床前スクリーニングをやってもらえる不妊治療クリニックを調べた結果、私たちは今メキシコのカンクンにいる。すでに2週間が経ち、いろいろなことがあった。いろんなことばかりで、まだ2週間なのに脳みそがパンク状態、このブログを忘備録とすればすこしは頭の中が整理されるかもしれない。またもし世の中に私のような経験をしている女性がいたら、せめて何かの参考になれば、、、